会社設立時に必要な「資本金振込口座」について
- Royal Office Official
- 1月16日
- 読了時間: 5分
前回の記事では、外国企業が日本へ進出する際に、どの会社形態(子会社・支店・駐在員事務所など)を選択すべきかについて解説しました。事業の規模や将来的な展開を見据え、貴社の発展段階に適した会社形態を選択された後、次に重要となるのが会社設立の具体的な手続きです。
その中でも、多くの外国企業・外国籍の方がつまずきやすいのが、資本金の払込と銀行口座の準備です。本記事では、会社設立時に必要となる資本金払込口座の考え方や手続きのポイントを分かりやすく解説します。

なぜ資本金払込口座が必要なのか?
会社設立の手続きにおいては、株式会社・合同会社のいずれの場合でも、資本金を実際に払い込むための銀行口座を用意する必要があります。
これは、定款に記載した資本金が確実に払い込まれたことを、登記申請時に証明するためです。
海外居住の外国人にとっての口座開設の壁
外国籍の方が日本で会社設立を行う際、特に問題となりやすいのが、日本の銀行における個人口座の開設です。
すでに日本に中長期で居住している外国人であれば、日本国内の銀行口座を保有しているケースが一般的です。一方、海外に居住している外国人の場合、日本の銀行口座を持っていないことがほとんどです。日本の金融機関では、短期滞在資格で入国した外国人に対しては、原則として個人口座の開設を認めていません。
会社設立にあたっては、法人設立前の段階で、発起人個人名義の口座へ資本金を振り込む必要がありますが、口座がなければ資本金の払込み自体が行えず、設立手続きを進めることができません。
海外居住者が口座を持っている場合の対応方法
海外居住の外国人が日本国内の銀行口座を持っていない場合、実務上は、日本在住の協力者を立てる対応が取られることが一般的です。具体的には、その協力者に一時的に発起人、または設立時取締役として就任してもらい、その方の個人口座を資本金払込口座として使用します。
近年の法改正により、発起人または設立時取締役の全員が日本国内に住所を有していない場合には、特例として、発起人・設立時取締役以外の第三者名義の口座を資本金の払込口座として使用することも可能となりました。ただし、この場合でも、実際に口座を提供してくれる協力者を見つける必要があります。
また、口座の提供のみを受け、設立時取締役には就任してもらわない場合、会社関係者全員が海外居住者となります。その結果、不動産賃貸契約や、会社設立後の法人口座開設などの手続きが円滑に進まないといった実務上のデメリットが生じる可能性がある点には注意が必要です。
資本金の払込タイミング
資本金の払込は、定款認証が完了した後に行う必要があります。
定款認証前に振込を行ってしまうと、定款認証前ですと、振り込まれたお金が個人のものなのか、資本金としてのものなのか判断できないからです。基本的には定款認証後に資本金を振り込みますので、海外送金で振り込む場合はスケジュールにご注意ください。
一般的な流れは以下のとおりです。
定款の作成および認証
発起人名義の銀行口座へ資本金を払込み
払込証明書類の作成
会社設立登記の申請
⚠️すでに残高があり、新しく送金する必要がない場合でも、いったん残高を引き出して、再度振り込むする必要があります。
資本金は定款認証後に振込するのが原則です。定款認証後かどうかは入金された「日付」で確認します。最初からお金が入っていたとしても資本金としてのお金とは判断されません。
【定款認証日以後】と覚えておけば間違いありません。
資本金は経営管理ビザ申請前に使ってもいいかですか?
会社設立が完了しましたら、個人口座に振り込んだ資本金は事業用としてビジネス活動に使っても構いません。例えば、3,000万の資本金で作った会社の場合、銀行残高が3,000万円を下回ってはいなけいというルールはないのです。経営管理ビザ申請前に資本金を使って、設備投資、オフィス賃料、人件費、広告宣伝費など、事業運営に必要な費用などに使っても構いません。
海外送金で資本金を振り込む際の注意点
資本金を海外から送金する場合、たとえば本国にいるご家族や関係者から資金を送ってもらうケースでは、送金手数料や為替手数料が発生する点に注意が必要です。
海外送金では、数千円程度の手数料が差し引かれることが一般的であるため、定款に記載した資本金額と同額を送金すると、着金額が不足するリスクがあります。
そのため、資本金が3,000万円の場合でも、3,000万円ちょうどを送金するのではなく、手数料分を見込んで、やや多めの金額を送金することをおすすめします。
例えば、3,020万円程度を送金するなど、余裕を持った金額設定が無難です。
なお、定款に定めた資本金額である3,000万円よりも多い金額が着金する分には、手続き上まったく問題はありません。一方で、手数料の影響により着金額が2,999万円となってしまった場合には、資本金全額が払い込まれたとは認められず、会社設立手続きを進めることができなくなります。
また、海外送金には数日を要する場合もあるため、定款認証や登記申請のスケジュールを見据え、余裕を持って送金計画を立てておくことが重要です。
まとめ
外国企業や海外居住の外国人が日本で会社を設立する際には、資本金振り込口座の準備が、手続全体の流れを左右する重要なポイントとなります。銀行口座の状況によっては、資本金の振り込みがスムーズに進まず、会社設立そのものに時間を要してしまうケースも少なくありません。
また、海外送金によって資本金を振り込む場合には、送金手数料や為替差額、着金までにかかる日数など、あらかじめ考慮しておくべき点がいくつかあります。定款に定めた資本金額を確実に着金させるためにも、余裕を持った金額設定とスケジュール管理が重要です。
日本での会社設立を円滑に進めるためには、協力者の関わり方、資本金振り込みのタイミングなどを含め、初期段階から実務を意識した準備が欠かせません。
Royal Officeでは、こうした会社設立に関する実務面についても、ご状況に応じたサポートを行っています。





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